2012年12月16日日曜日

白潮

Una nueva ‘marea blanca’ clama contra los planes privatizadores de Madrid http://ow.ly/g8tfG #BlancaSanidad

「再び『白潮』がマドリッドの民営化案反対を叫ぶ。」

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今回もEl Pais紙によるツィートをお題にします。スペイン時間本日午前2時23分に投稿されたものです。

11月18日に引き続き、昨日(12月15日)マドリッドの公共医療システム民営化案に反対する医療関係者による大規模なデモ行進が行われました。

現状、スペインの公共医療機関は社会保険により賄われており、社会保険病院に行く限り医療費は無料です。他に民間の病院もありますが、医療レベルに関しては社会保険病院の方が高いと言われています。公立であるため、利潤を追求するよりは医療レベルの確保に努め、ヨーロッパ内でも誇れる医療システムを維持して来たのですが、これが財政改革の名の下に崩れつつあります。

この社会保険病院の運営は各自治政府に任されているのですが、この中でも特にPP(=Partido Popular 国民党)が政権を担っているマドリッドをはじめとするいくつかの自治州で民営化の動きが出ています。

マドリッドの場合は、具体的には6ヶ所の病院
と27ヶ所の医療センターの運営を民間会社に任せようとしているのですが、運営を民間に任せることで経費削減されることが確実ではない上、民間会社が運営することになれば当然利潤の追求が優先されることになるので、人員の削減や医療レベルの低下、患者への経済的負担増などが懸念されています。


今回のデモ行進は民営化の対象となっている6病院それぞれから出発し、シベレス広場で合流し、州政府のあるソル広場が最終目的地となったのですが、デモに参加した医者、看護士を含む社会保険病院の関係者の多くが白衣に身を包んで参加したので赤潮ならぬ白潮と表現された訳です。

民営化の理由はあくまでも表向きは財政改革ですが、PPの支持者の利権が絡んでいるというのは公然の事実で、PPと富裕層との癒着の構造が如実に窺えるといったところ。

マドリッドの医師たちは、抗議行動としてこれまでに救急並びに入院患者への対応を除く11日間のストライキ及び7日間の病院内への立てこもりなどを行っており、緊急性の低い4000の手術がキャンセルされるなど、医療現場にも多大な影響が出ている中、計画の見直しを含めた州政府の対応が注目されています。

最後に元記事に出て来たデモのスローガンをご紹介しておきます。いつもながら、思い切り意訳してます。

"La sanidad no se vende, se defiende".
「医療は売り物ではない、守るものだ」

 "¿Por qué externalizar sin antes escuchar?"
「事前に現場の意見も聞かずに何故外部委託?」

"No despidos, no traslados forzosos"
「解雇も無理な異動も反対!」

"No tenemos banderas ni políticos, tenemos pacientes"
「旗も政治家も関係ない。大事なのは患者。」

"Queremos pacientes, no clientes"
「相手にしたいのは客ではなく患者!」

"Sanidad sí, negocio no"
「ビジネスではなく医療!」

"Esta batalla no la vamos a perder"
「この戦いは負けられない

"Sí se puede, sí se puede"
「できるものはできる!」

2012年12月12日水曜日

同性婚

Uruguay aprueba el matrimonio entre personas del mismo sexo http://ow.ly/g2kBM La norma debe votarse también en el Senado @fperegil

ウルグアイは同性同士の結婚を認める。上院での議決を俟って。


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今回もEl Pais紙のツィートからです。この件に関する最初のツィートはスペイン時間の午前5時、再ツィートは午後3時25分で、引用したのは後者です。

ご覧になればおわかりのように例によって思いっきり意訳してます。
「ウルグアイは同性の人間の間での結婚を承認する。規則は上院でも投票されなければならない。」っていうんじゃねぇ…。

スペイン語的には特に難しくもない今回のツィートを取り上げたのは、果たして世界中で一体どのくらいの国が同性婚を法的に認めているかが気になったからなのですが、しっかり元記事の方に書いてありました。


スペインが認めたのが2005年で、これは世界で第4番目だったそうで、それ以前に認めていたのが、オランダ、ベルギー、カナダ。以後、南アフリカ、ノルウェー、スウェーデン、ポルトガル、アイスランド、デンマーク。ラテンアメリカで最初に認めたのがアルゼンチンの2010年だそうで、アメリカやメキシコ、ブラジルの場合は州によって認めているところもあるようです。詳しく知りたい方は是非Wikipedia等を参照してください。

2012年12月9日日曜日

不良債務者への嫌がらせ

Cuando la insistencia se convierte en acoso al moroso http://ow.ly/fWKsW Crecen las irregularidades en el tratamiento de los deudores

執拗さが不良債務者への嫌がらせに変わる時。債務者への対応に反則行為が増加。

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またしても、久しぶりの投稿となってしまって、申し訳ありません。
どうやら私には、かつてポッドキャストを定期的に配信していたときのように、ある種の縛りが必要なようです。(汗)

今回の取り上げたのは、久しぶりにEl Pais紙のツィート。現地時間、本日午後7時40分18秒のものです。


取り上げた最大の理由はボキャブラリー。acoso、morosoなんていう単語は案外知らない人が多いのではないかと思った訳です。

まず、「acoso」ですが、辞書には「1 執拗な追跡[追及] 2 悩ますこと」というようなことが出てくるかと思います。ちなみに、私が愛用しているのは、小学館の西和中辞典です。今の日本の流れだと電子辞書が主流のようですが、電子辞書がまだお粗末な時代に海外に住むようになってしまったので、未だに紙の辞書を使ってます。(汗)もし、これが絶対オススメというのがあったら、是非教えてください。iOS6のアプリなら、mejorです!

話がそれました。(滝汗)
で、私の辞書に出ているのが「acoso sexual=セクハラ」です。となると、パワハラは「acoso de poder」または「acoso con poder」と言えば通じるのでは…と思います。


次に「moroso」ですが、「deudor」は単に「債務者」であるのに対して、「moroso」は「不良債務者」です。スペインでよく使われる言葉に「moro」というのがあるのですが、これは元々はムーア人(世界史で出て来ましたよね。)あるいはイスラム教徒を指す言葉だなのですが、差別的なニュアンスが含まれます。「moroso」というと、あたかも「moro」を形容詞化したように感じられますが、語源的には全く関係はありません。

このツィートの元となった記事はツィート内のリンクで読めますが、結構長いので覚悟して取り組んでください。根っこはスペインに吹き荒れてる不況の嵐。不動産バブルのツケが大きいのですが、日本のバブルと違って、この国の泡はなかなかハジケきりません。