2013年1月31日木曜日

メキシコ語の語彙

ご存知のように中南米にスペイン語が広まったのはコロンブスの新大陸発見以降の15世紀末から16世紀にかけてなのですが、そのせいで、たとえばメキシコで使われている単語にはスペイン本国では既に死語となってしまっているものもかなりあります。

それ以外にも、原住民の言葉や英語の影響を受けた単語などもあり、スペイン人にはさっぱり意味がわからなかったり、用法の違いに戸惑う単語もたくさんあるようです。

今回は、そんな単語の中で私がメキシコに住んでいた頃によく耳にしたものを、思い出す範囲でご紹介したいと思います。先に書いた方がスペインで一般的に使われている単語、後のがメキシコ語で、スペインでは別の意味になるものは括弧内に表示します。

<食物>
グリンピース  guisante        chícharo
じゃがいも   patata           papa(ローマ法王)
トマト     tomate          jitomate
いんげん    judia verde    ejote
七面鳥     pavo             guajolote
ジュース    zumo            jugo(しぼり汁、肉汁など)

<衣類等>
ジャンパー   chaqueta       chamarra
ティーシャツ  camiseta       playera
ジャケット   americana     saco(袋)

<住居関係>
プール     piscina          alberca(家畜の水飲み場)
芝生      césped          pasto(牧草)
電球      bombilla        foco(焦点)
寝室      dormitorio     recámara


<その他>
メガネ     gafas            lentes(レンズ)
コンピューター ordenador     computadora
切手      sello             estampilla
ボーイ(給仕) camarero      mesero
長距離バス   autocar         camión(トラック)
二日酔い    resaca          cruda
取る      coger            agarrar(つかむ)
取り除く    quitar           remover(かきまぜる)


個人的には、americanaやautocarなんていう単語もかなり変な感じがするし、スペインで使われている言葉の中にもいわゆる外来語的なものもたくさんあるのですが、それを本来の読み方ではなく、スペイン語式に読むので面食らうことが多いです。

最後に一点だけ。スペイン語側に出て来ているchaquetaとcogerはメキシコではどちらもスラングとして下品な意味で使われているので、人前では使わない方が良さそうです。くれぐれも注意して下さいね。

2013年1月22日火曜日

麻生大臣の失言

“Que se den prisa y se mueran” http://cort.as/3FOF Un ministro japonés pide a los ancianos que se den prisa en morir para ahorrar gastos

「急いでさっさと死ぬように」ある日本の大臣は、支出削減のために高齢者に急いで死ぬように求めた。

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少しばかり過激に訳してみた今回のツイート、例によってEl Pais紙が今日の4時台に投稿したものです。

前回もそうでしたが、日本語だとまず過去形にするところがスペイン語では現在形で書かれることがよくあります。特に記事の見出しなどによく現れる現象です。

日本でどのように報道されているのかネット上ではあまりよくわからないのですが、
元になっているEl Pais紙の記事には、麻生氏が不適切な発言だったことを認めた上で、自分の個人的好みについての発言だったとしたことも触れてはありますが、論調としては、「高齢者が自分の最期を決める自由をもたせる」という意味合いの発言であったという印象を与えるよりは、「財政負担軽減のために高齢者には死んでほしい」なんていうとんでもない発言をする政治家が日本にいることをクローズアップする形になっているので、これだけ読んだ人の日本人に対するイメージ・ダウンは避けられないかと…。

元記事自体も英国のThe Guardian紙の記事を元にしているので、又聞き的な感じも強いのですが、読みやすい文章だし、「andarse con medias tintas=曖昧な行動をする」などの言い回しをはじめとして、知っていて損のない語彙が満載ですので、お時間のある方は自分たちの国のニュースがどんな書かれ方をしているのか是非目を通してみてください!

2013年1月16日水曜日

Baby Shower

Shakira y Piqué se desnudan por UNICEF. Mira foto en @elpaisgente: http://ow.ly/gRMwT

シャキーラとピケがユニセフのために脱ぎました。写真は上のリンクで。

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年末にひいた風邪が抜けず、昨日も午後から寝込んだりしているじゅりです。
みなさんはお元気ですか?


さて、今日のお題もEl Pais紙のツイートから拾って来ました。どうやらtwitterの表示様式が変わったようで、何時何分のと特定できないのですが、スペイン時間の午後6時台ぐらいに投稿されたものです。

なんだかスペイン語的には取り立てて重要ではないのですが、元記事も平易で読みやすいし、彼らが文字通りユニセフのために「一肌脱ぐ」のなら、私も少しは広めるお手伝いをしてみようかという気になった訳です。


すべては元記事を読んで頂くのが一番速いのですが、要は、UNICEFのプロジェクトである彼らのVirtual Baby Showerに参加して、世界の恵まれない赤ちゃんたちを助けましょうということで、Baby Showerのサイトに行くとこんなビデオが待ってました。





ちなみに、Baby Showerという言葉はアメリカの影響が強い中南米ではかなり一般的に広まっていて、赤ちゃんが誕生する前に妊婦が女友達を招待して開くもので、私もメキシコに住んでいた頃、一度呼ばれたことがあります。元々、赤ちゃんができると色々と物入りになるのを助けるために開かれるものらしいのですが、Baby Showerの後に万が一母子のどちらかに何かあったら…なんてことを思うと、日本のように出産祝いをあげるほうがいいような…と個人的には思ったりするのですが、みなさんはどう思われますか?

2013年1月10日木曜日

東方の三博士

Los Reyes Magos llegan a #Boadilla a las 18:00 horas: http://www.aytoboadilla.com/boadilla-del-monte-espera-a-los-reyes-magos-en-el-palacio-del-infante-don-luis/

東方の三博士は午後6時にボアディージャにやってくる。


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新年最初のネタは何にしようかと迷っているうちに、どんどん時間ばかり過ぎてしまって、なんだか今更感のある話題になってしまったのですが、今日はスペインのクリスマスの慣習について少しお話ししようかと思います。スペインや中南米についてすでに詳しい方は既によくご存知のことかと思いますので、流してください。

スペインは歴史的にカトリックが強い国で、現在も7割強がカトリック信者だと言われています。もっとも、幼児洗礼は受けていても日常的に教会に行ったり、家庭内で祈ったりする人というのはかなり限られていて、wikipediaによると13.7%だとか…。それでも、クリスマスのようなキリスト教関係の行事のときには、しっかりカトリックの影響が色濃く見られます。


この国には原則としてサンタ・クロースは来ません。子供たちにプレゼントを持って来るのは、東方からやってくる三博士です。これは、新約聖書に出てくる、イエスの誕生を祝うために東方から三人の博士がやってきたという逸話に因んだもので、スペインでは、この三博士はMelchor, Gaspar, Baltasarという名前で呼ばれていて、Melchorはヨーロッパから、Gasparはアジアから、Baltasarはアフリカからやって来たことになっており、それぞれ白人、黄色人種、黒人らしいのですが、Gasparはペルシャからという説もあります。

さて、今回のツィートですが、私が現在住んでいるマドリッドの郊外Boadilla del Monteという町の市役所が1月5日にアップしたものなのですが、この日、わが町でもこの東方の三博士たちのパレードというのが行われて、その開始時間が午後6時だった訳です。

日本語では一般的に東方の三博士と訳されていますが、ご存知のように「rey」は王様、「mago」は魔法使い。エルサレムの方角に新たな星の出現を見てイエスの誕生を知ったということから、天文学者ということになっているようです。

この三博士がやってくるのが1月5日の夜で、6日はel día de los Reyes。公現日(祭)やエピファニーなんていう名前で聞いたことがある方もいらっしゃるかもしれません。そして、この日に食べるのがRoscón de Reyesと言われる大きなドーナツ型をした菓子パンで、中に生クリームやカスタードクリーム、マジパンの入ったものなどいくつかバリエーションがあるのですが、必ずエンドウ豆と小さなフィギュアが埋め込まれていて、自分が食べたところにエンドウ豆が入っていた人がRoscón代を払い、フィギュアが入っていた人は、その年、幸運に恵まれると言われています。

ちなみに、フランスにはGalette de Roisというやはりマジパンが中に入ったパイのようなものがあって、中にフィギュアが入っているのは同じなのですが、フィギュアが当たった人はその日王様になれるのだとか…。でも、前夜の博士のパレードはなく、その代わりに東北地方だけのようですが、12月6日にSan Nicolásというサンタ・クロースのモデルとなったと言われている聖人のお祭りがあり、主役は違いますが同じようなパレードが行われます。

この1月6日をもってクリスマス関連の行事はすべて終わりで、翌日から学校も始まり(今年は6日が日曜だったので、月曜も休みでしたが)ます。そして、一部の都市では早められているところもありますが、原則として1月7日からバーゲンが始まるというのは、フランスも共通のようです。

話はそれてしまいましたが、ヨーロッパの文化を理解する上で、キリスト教に関する知識を深めることはとっても役立ちます。手塚治虫氏による「旧約聖書物語」なんていうのもあるようですので、目を通してみるのも良いかもしれません。